どうする?あなたの住宅ローン 第3回:より正確な住宅ローンの期間(アベレージライフ)

住宅ローン
(写真Kanyapak Lim/shutterstock)

「どうする?あなたの住宅ローン第1、2回」では、借り換えによるメリットおよびローン金利の構造についてお話をさせていただきました。第3回目となる今回は、住宅ローンのキャッシュフローについて解説させていただきます。

住宅ローンの特徴:元利均等返済

住宅ローンは、通常で最長35年まで借りることができます。35年といっても、35年後に一括で元本を返済するのではなく、借りた翌月から毎月少しずつ元本返済が始まります。いわゆる「元利均等返済」という返済方法が主流で、元本返済と支払金利の合計額が毎月同額となるように返済スケジュールが組まれています。満期一括返済と元利均等返済はキャッシュフローの観点からは大きく異なりますので、同じ返済期間でも区別して考える必要があります。

アベレージライフ

一括で元本返済のあるローンと徐々に元本返済のあるローンを、キャッシュフローの観点から比較するために用意されたのが、「アベレージライフ」という概念です。これは、元本返済までの期間を、各月における元本返済割合を年数で加重平均して求めます。

借入期間が35年の満期一括型のローンと元利均等型のローンのアベレージライフを計算してみましょう。満期一括返済型の場合は35年、元利均等返済型の場合は約20年になります。アベレージライフは金利リスクの計測に有効です。

例えば、35年満期一括型のローンの場合、金利が1%上昇すると金利総額は元本の35%増えることになります。これが元利均等型のローンだと約20%になります。金利が1%上昇した場合の金利増加率はアベレージライフと一致しますので、アベレージライフを計算すればそのローンの金利上昇リスクが分かるのです。

繰り上げ返済が与える影響

次に、「繰り上げ返済」がアベレージライフに与える影響を考えてみましょう。35年の住宅ローンを元本残高の0.5%程度を毎月継続して繰り上げ返済すると仮定した場合、アベレージライフは約10年になります。つまり、10年満期一括型のローンと同程度になるということです。

住宅ローンは、ちょっとお金が余った、ボーナスがたくさん出た、家を買い替える、借り換えをするなど、さまざまな理由で多くの人が繰り上げ返済を行います。その結果、実際に多数の住宅ローンを集め、そのアベレージライフの平均値を取ると10年近辺になっているというデータもあります。

キャッシュフローの観点からは、契約上の満期よりアベレージライフの方が数字として重要です。35年の住宅ローンでも繰り上げ返済を考えると、アベレージライフが10年ほど短縮可能ということは、住宅ローンはその契約上の返済期間が示すほど長期の債務ではないといえます。

であれば、金利タイプを選ぶ際も、全期間固定にしなくとも10年固定特約で十分だ、とも考えられるのです。返済期間ではなく、アベレージライフを使って比較することで、より正確な住宅ローンの選択ができるといえます。

【どうする?あなたの住宅ローン】シリーズ
どうする?あなたの住宅ローン 第1回:なぜ借り換えか
どうする?あなたの住宅ローン 第2回:なぜ変動金利なのに金利が下がらないのか
どうする?あなたの住宅ローン 第4回:住宅ローンの金利と収益性
どうする?あなたの住宅ローン 第5回:固定金利か変動金利か
どうする?あなたの住宅ローン 第6回:フラット35
どうする?あなたの住宅ローン 第7回:団体信用生命保険
どうする?あなたの住宅ローン 第8回:借り換え事例(フラット35からの借り換え)
どうする?あなたの住宅ローン 第9回:借り換え事例(メリットが少ない借り換え)
どうする?あなたの住宅ローン 第10回:借り換え事例(リバースモーゲージ)

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