家賃を払うよりも購入したほうが得? でも注意ポイントに気をつけよう

「マイホームを購入したほうがいいか」あるいは「賃貸に住み続ける方がいいか」という議論は、生活設計を考えるうえで、永遠の課題です。どちらを選ぶにしても、購入の場合は住宅ローン、賃貸の場合は家賃が必要であり、「住居費」というのは家計に大きな影響を与える要素なので、しっかり計画を立てる必要があります。今回はそれぞれのメリット・デメリットを分析して、どちらが自分の生涯設計に合うかを考えてみてみましょう。

賃貸のメリット・デメリット

家賃 借りる 購入 住宅ローン 得
(写真=Volvio/Shutterstock)

賃貸派を選ぶ方の理由は「ライフスタイルの変化に応じて自由に住み替えたい」、「一つの場所に定住せずにいろいろな場所に住みたい」、「日本は地震のリスクがあるので自宅を購入する決心がつかない」といったところではないでしょうか。下記の表1で賃貸を選んだ際のメリット・デメリットをまとめてみました。

表1

賃貸のメリット 賃貸のデメリット

〇結婚や出産など家族構成やライフスタイルの変化に合わせて
フレキシブルに引っ越しできる
〇住宅ローンのような大きな借金をする必要がない
〇維持管理費用・固定資産税を負担しなくてよい
〇不動産価格が上下しても、比較的影響を受けにくい

〇自分の資産にならない
〇家賃は定年後など収入が減っても払い続ける必要がある
〇現状、高齢者は借りにくい
〇賃料が上がる恐れがある
〇ファミリータイプなど広い間取りの選択が比較的少ない
〇自分の好きなようにリフォーム・リノベーションができない

一番大きなポイントとしては、購入の場合は住宅ローン返済が終われば住居費が減りますが、賃貸は一生家賃の支払いが続くことです。そのため、賃貸を選択する場合は、「老後の生活費」に加え「住居費」に備えた貯蓄が必要になります。また、現状では高齢者は部屋を借りにくいという面があります。いずれにしても賃貸の場合は、老後資金作りを購入派の方より早めに着手する必要があります。

購入のメリット・デメリット

購入派の方の理由は「自分の資産が持ちたい」、「自分の好きな空間に住みたい」、「マイホームに住んでいる安心感がほしい」といったところでしょうか。下記の表2に購入した場合のメリット・デメリットをまとめました。

表2

購入のメリット 購入のデメリット

〇いずれ将来は自分の資産になる
〇持ち家は社会的に信用力がつく
〇必要に応じて室内のリフォームが自由にできる
〇住宅ローンの支払いが終わった後は
維持管理費のみの支払いで済む
〇団体信用生命保険の加入で生命保険の軽減ができる
〇一般的に分譲されている物件は賃貸物件
よりも居住空間が広く、設備などの性能も高い

〇収入が減っても、ローンの支払いが残る
〇固定資産税などの税金がかかる
〇管理費などの維持管理費が必要になる
〇住宅ローン金利が上昇するリスクがある
〇資産価値が下落するリスクがある
〇住み替えなど、引っ越す場合に手間と時間がかかる

やっぱり購入したほうが割安でお得?

不動産に関して「賃貸か購入か」を比較して、総支払額には差がないという意見もあります。下記の表3でも50年間での総支出額はほとんど変わりません。

表3

〇ずっと賃貸派(50年間で2回住み替え) 〇すぐに購入派
家賃
1年目~9年目 :月10万円
10年目~24年目:月12万円(子ども部屋が必要期間)
25年目以降:月10万円 
入居時費用: 敷金1カ月・礼金2カ月・仲介手数料1カ月計算
更新料2年に1度:1カ月分
引越し代:1回25万円×2
物件価格:3,500万円
(頭金500万円+ローン借入額3,000万円)
 諸費用:105万円(物件価格の3%)
毎月返済額:約10万円 (固定金利2%、返済期間35年)
管理費+修繕積立金 :毎月3万円
固定資産税・都市計画税:約390万円
※住宅ローン控除:10年間で約267万円の税金が軽減
入居時費用・引越し代:25万円
リフォーム代 10年目:100万円 30年目:200万円
合計 約6,812万円 合計 約6,807万円

なかには賃貸の方が安いという意見の方もいます。確かに、ある一定期間の損益計算書(PL/Profit and Loss statement:会社の一会計期間における経営成績を示す決算書。経営成績を売上と費用などの差額から利益を表すもの)だけを比較している場合は、そういう考え方もできます。

しかし、何年にもわたる資産・負債・純資産を比べる貸借対照表(Balance Sheet:決算日時点においてその会社に帰属する資産とその会社が負っている負債、そしてその差額としての純資産を一覧表示したもの)の観点から見ると、やはり単なる費用でなく資産となりうる不動産は買っておくべきという意見が多いと考えられます。

また購入の場合は若くて収入があるときに初期費用が掛かりますが、賃貸の場合は収入がなくなってからの定期的な費用がかさむことになります。よりリスクが高いはどちらでしょうか。

自分に合った住宅ローンを選ぶことができますか?

まず、将来を見据えてマイホームを購入すると決断した場合、次に考慮しなければならないのは「住宅ローン」です。まず銀行のローンなどを主体とする「民間融資」。そしてフラット35等の民間融資と公的融資の中間に位置する「協調融資」。さらに自治体などの公的機関による「公的融資」があります。

民間融資には、住宅ローン専門会社や生命保険会社などの銀行以外が取り扱うものもあります。民間の住宅ローンには、取り扱い会社ごとに特徴を出したサービスがみられます。例えば、一般的には書類で行われる手続きをすべてネット上で完結させることで手数料などの諸費用を抑えたものであったり、自社や関連会社のサービスに連動したメリットを提供しているものもあります。また変動金利、全期間固定金利、期間限定の固定金利など、さまざまな種類の住宅ローンから選択することができます。

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関との連携で行われている融資になります。借り入れ時の適用金利が完済まで続く「全期間固定金利」が特長です。窓口は民間金融機関で、金融機関によって金利が異なります。ずっと変わらない全期間固定金利によって生活設計をしやすいのがメリットといえるでしょう。

公的融資には、勤務先で財形貯蓄を1年以上行っていて、残高が50万円以上ある人が利用できる財形融資があります。民間融資やフラット35と併せて利用することもできるので財形貯蓄を行っている人は勤務先に確認してみましよう。さらに都道府県や市町村が独自の融資制度を行っている場合もあります。

いずれにしても種類も多く、特徴も異なる住宅ローンを自分で選ぶのは困難な作業です。数パーセントの金利の違いで総支払額が100万円単位で異なることもあるので慎重に選ぶ必要があります。

まず借り入れ可能額と適用金利を知ることからはじめよう

購入する場合、物件選びに必要な予算を立てるためにも、まず自分がどれ位の金額が借入られるかを知っておくのは大切です。

収入はもちろんのこと、勤務先、勤務期間などの属性も借入金額を左右するうえに、借入先の金融機関の規定によっても異なります。また適用金利も条件によって異なります。よって、あらかじめ自分がどれ位の金利でどれ位の金額が借り入れられるのかを具体的に試算してみるのは住宅購入の重要な第一歩といえるでしょう。

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