転職後でも住宅ローンの借り入れはできるのか? 本当のところお伝えします

今までは1つの会社で定年まで働き続ける人が多かったですが、日本人の働き方も徐々に変わりつつあり、キャリアアップや夢を求めて転職する人も多くなっています。転職された人、転職を検討されている人の中には、転職後でも住宅ローンを組めるのかが心配人方も多いことでしょう。今回は転職後の住宅ローン申込について考えてみましょう。

転職は住宅ローンの審査にどのような影響を及ぼす?

青いテーブルの上に置かれた履歴書とまるばつクイズ
(写真=PIXTA)

1. 金融機関の審査の仕組み
一般的に住宅ローンでは、「申込人の個人情報(属性情報)」と「物件情報」の2点で審査を行います。

「個人情報(属性情報)」とは、申込人の年齢・年収・勤務先情報等です。簡単にいうと「この人はローンをきちんと返せるのか?」を審査します。

主に年収倍率(借入額が年収の何倍か。一般的には7倍以内程度が上限)、返済比率(年収における住宅ローンやその他借入の年間返済額の割合、一般的に35%以内に抑える必要がある)といった項目をチェックします。また、銀行によっては世帯人数により生活費等を算出して審査の判断基準としたり、独身者だと審査上マイナスになる銀行もあるなど、銀行により審査基準はさまざまです。

転職によって影響を受ける勤務先情報には会社規模や勤続年数が含まれ、上場会社従業員や勤続年数の長い人ほど有利な仕組みになっています。

物件情報は住宅ローンの対象物件(自宅)を、銀行または保証会社なりに評価したものです。簡単にいうと「借りている人が返せなくなってしまった場合に売却をして残債を回収できるのか?」を審査します。担保評価額といわれ、一般的にはこの金額内か担保評価額プラスいくらまでなら借しますよと各銀行が独自に定めています。

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2. では転職するとどうなる?
転職をすると勤続年数がリセットされるため、一般的に考えると審査上は不利となってしまいますが、昨今転職をする人が多くなる中、審査の仕方にも少しずつ変化が起こっています。

その転職、キャリアアップの転職ですか?

転職経験者の審査において銀行が重要視するのが、今までの経験・スキルを活かすことができる転職かどうかということです。

「キャリアアップのための転職か?」と「転職先の会社が今まで働いてきた業界と同業種か?」を重要視します。例えば、金融業界で働いてきた人が同じ金融業界に転職する場合は今までのスキルが活かせる「キャリアアップ」の転職と見なされます。一方で極端な例ですが、金融業界で働いていた人がトラックのドライバーになる場合などは、職種の繋がりがないためもし収入がアップしても審査では不利となることが多いようです。また、転職先企業の規模・財務状況等も審査に影響を与えます。上場企業からキャリアアップで会社規模の小さい企業に転職するケースでは、場合によっては審査上マイナスとなるかもしれません。

対応は銀行によってさまざま

では、実際の銀行の申込条件を見てみます。

ほとんどの銀行で転職後1回は給与が支払われていることが必須条件となり、雇用契約書・支給済の給与・賞与明細が必要となります。場合によっては勤務先発行の見込給与証明書や職歴書が必要となる場合もあります。雇用契約書の雇用条件や支給済の給与・賞与明細より逆算し、申込人の見込年収を算出して審査するのです。

各銀行の申込時の必要勤続年数と転職後の申込で特別に必要となる書類は下表の通りです。

  銀行名 必要勤続年数条件 必要書類とその他注意事項
ネット系銀行 ソニー銀行 なし ・勤務先発行の収入金額記載の書類
(雇用契約書、採用通知書、年収見込証明書等)
・ 転職後の給与明細・賞与明細(支給がない場合は不要)
じぶん銀行 なし ・転職後3年未満の場合は職歴書
楽天銀行 なし ・勤務先より発行された給与証明書
※転職後1年未満の場合全ての職歴が記載された職歴書が必要
住信SBIネット銀行 3ヶ月 ・勤務先発行の収入金額記載の書類
(雇用契約書、採用通知書、年収見込証明書等)
・ 転職後の給与明細(直近3ヵ月分)
・ 転職後の賞与明細(支給が無い場合は不要)
イオン銀行 6ヶ月 ・HPには必要書類の記載なし
リアル系銀行 りそな銀行 1年 ・HPには必要書類の記載なし
その他 フラット35 なし ・勤務先作成の「転職後の収入を証明する書類」(給与明細等)

 2017年5月1日時点

上の表を見るとおわかりいただけますが、銀行によって申込に必要な条件や審査基準はまちまちです。よって、1つの銀行だけに絞って申込するよりも、複数の銀行に申込をしてみたほうがいいかもしれません。場合によっては、転職を有利と判断してくれる銀行に巡り会えるかもしれません。

また、一般的な傾向としてネット系の銀行は「ダメなものはダメ」と割り切って運営しているのに対し、店舗を構えている銀行では店頭で直接相談すると意外と柔軟に対応してもらえる場合もあります。転職を理由に住宅ローンを借りられない場合でも最後まで諦めずに店舗を持つ銀行などに相談してみるのも1つの方法といえます。

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